通勤途中に小説を〜短編小説 『星』

気がつくと周囲は夕闇に閉ざされて、ほんの少し先さえも、光のしっぽすら見えない中、俺は草むらに横になっていた。別に遭難したとかいう大事な話ではなく、町外れの森の中を、真っ昼間から陽の光を木々で避けながら、ずっと草を敷き布団にしていたのだ。 大した理由があったわけではない。ただ、三年付き合っていた彼女が…